PrEP受診希望の方へ
PrEP(曝露前予防内服とは、性交渉する前からHIVの薬を内服し、HIV感染のリスクを減らすというHIVの予防方法です。
英語の頭文字をとって、PrEP(プレップ)と呼んでいます。
PrEPの効果
決められたスケジュールを守り内服することができれば、性行為によるHIV感染は99%の予防効果が期待できると考えられています。
PrEPの効果に関しては肛門性交を行う方が、毎日服用するという方法で予防した場合、薬が直腸組織に到達しHIVに対して予防効果を発揮するのに、7日程度を要します。また、血液や腟組織で十分な予防効果を発揮するのに20日程度かかると報告されています。
- 当院でPrEPを受けられない方(必ず確認をお願い致します)
- HIVにすでに感染している方
- 梅毒に感染している方(当院では梅毒の治療を優先とさせて頂きます)
- 現在B型肝炎に感染している方(紹介状発行可能別途費用5,000円)
- 腎機能に異常が診られる方(紹介状発行可能別途費用5,000円)
- 性行為以外でHIV感染リスクのある方(薬物注射等)
- 未成年の方・男性同姓間の性行為がない方(on demand PrEPのみ対象)
PrEP に使用する薬剤
ツルバタ
HIVの治療薬の一つです。
PrEPにツルバダを用いる事は、日本国内で認められた使用法とは異なります。
食事と関係なく内服できます。コップ1杯程度の水で飲みましょう。
保管方法:乾燥剤入りのボトルに入れたまま室温で保管
※冷蔵庫や高温になる場所には置かない
ピルケースなどに入れる場合は1週間程度にとどめる週間程度にとどめる
副作用
嘔気、腹痛、下痢、頭痛、皮疹、腎障害、骨塩減少等
- PrEPの2種類の飲み方
- ①DAily(デイリープレップ)
1日1回1錠を毎日服用する(決まった時間に)
男性同姓間の性行為、男女間の性行為、トランスジェンダーの方等すべてのHIV感染リスクに有効です。
(十分な予防効果を得るには20日ほど、お時間を見て頂くことをお勧めします) - ②on demandon PrEP(PrEP(オンデマンドプレップ)
性行為の2時間~24時間前に2錠、最初の内服から24時間後に1錠、更に最初の内服から48時間後に1錠を内服し(2-1-1)、終了する)。
※男性同性間の性行為のみに有効性が確認されています。
- PrEPを受診するまで
- 事前に予約をして頂きます。(PrEPのみ予約制)
当院の診療時間内1時間前までのお時間を指定してください。 - ①ドクターと相談、PrEPを開始して問題ないかの問診(この段階で終了する場合は11,000円のみの費用発生)
②ドクターの問診後、第4世代HIV抗原抗体検査(即日)、B型肝炎抗原検査(即日)、梅毒TP抗体検査(即日、既往のある方は後日)、腎機能検査腎機能検査(後日)を受けて頂きます。(この段階で当日は終了となり、費用22,000円が発生します)が発生します)- 当院以外で検査をうけられた場合は必ず、検査結果の確認がとれる書類をご持参ください。(費用は相談料のみ11,000円)
- 検査受診日からお薬処方までの間、性行為があった場合は、PrEPを開始出来ませんので、十分にご注意ください
- ③検査結果に問題がなければ、30日分(30錠)のお薬の処方となります。(30日分の処方198,000円を頂戴します。返品、返金の対応は出来ないので十分に考慮したうえ受診ください)
④1カ月後に必ず第4世代HIV抗原抗体検査(即日)、B型肝炎抗原検査(即日)、腎機能型肝炎抗原検査(後日)を受けてください。
※価格は税抜き価格となります。
- 注意事項
- お薬の処方は30錠単位です(バラ売りは行っておりません)
- 一度患者様にお渡ししたお薬に関しては返金対応は致しかねますので、ご理解のほどお願い致します。
- 本人以外の方へのお薬の譲渡は絶対に行わないでください
- ご予約はお電話かメールにてお願い致します。
- お電話は診療時間内にご連絡ください。
- 当日の予約は受付できない場合がございますので、ご了承くださいませ。
- PrEPには100%の予防効果はございません(的確にお薬を服用すれば、99%の予防力があると言われております)ので、服用中にHIVの感染が判明した場合は、直ちに当院へ連絡いただきお薬の内服をストップしてください。
- PrEP予約、相談用メールアドレス(PrEP以外の内容にはご返信致しません)
info@shibuya-std.com
03-3461-5151
- PrEPをお勧めする理由
日本エイズ学会でもたびたび目にするワード「U=U」とは?
「U=U」とはUndertectable[感染感度以下]=Untransmittable[非感染]を略式したものです。
つまり、「U=U」とは、HIVに感染していても、治療薬の内服により、感染感度以下の状態であれば、性行為によってHIVは感染しないということです。
抗ウイルス療法の進歩により、HIV感染症の予後は著明に改善しました。
しかし治療は一生継続する必要があり、長期療養中におこる合併症は世界共通の課題であり、決してHIV感染を楽観視できるものではございません。
さらにHIV感染によって問題視されるものはスティグマ(HIV感染により、差別や偏見の対象として扱われる)です。
スティグマに関する一般的な理解は、治療以上に難しい問題と言えるかもしれません。
いかにHIV感染症がもはや“不治の病”ではなく“生活習慣病”的な立ち位置に変化したとしても、問題はそれだけではないのです。
世界のHIV予防で、HIV曝露前予防内服(pre-exposure prophylaxis:PrEP)が注目されています。
ゲイの方を対象に実施された2018年のアンケートでは、2年前に実施されたアンケートと比べ、PrEPの使用経験、認知度が大きく増加していたそうです。
しかし、PrEPを使用するにあたり、最も気を付けなければならないことは、その他の性感染症の感染です。
同様のアンケート内で、PrEPを使用後コンドームを使わなっくなったという回答が40%以上もあったそうです。
PrEPにより、他の性感染症に感染しやすくなるのでは、本末転倒です。
PrEPを利用後もその他の感染症の予防の観点からも、コンドームを着用すべきでしょう。